住まいづくり宣言
住生活環境研究所版 「住まいづくり宣言」
暮らしと環境に配慮した住まいをつくるために
はじめに
これからの住まいは “いのちを守りくらしを持続可能に”するために暮らしの質をより良くしながらも、環境への負荷が少ない住まいのつくり方が求められる時代になりつつあります。
そこで“望ましい住まいと暮らしのありかた”を提言し、これを住生活環境研究所が行う住まいづくりの目標とするものす。
1)調和のある暮らしができる住まいとする
○家族の暮らしや生活習慣と調和した住まい
○まちなみと景観に調和した佇まい
○緑と水をうまく取り込んだ微気候づくり
○周囲の自然環境・生物環境と調和した住まい
○地域の気候風土に調和した住まいと暮らし
2)秩序とコミュニティーのある住環境とする
○家族の居場所とコミュニティーの場がある住まい
○庭先コミュニティー、玄関先コミュニティーによる地域とのつながり
○コミュニティーに支えられた地域防犯、地域防災
○地域自治に支えられた住環境づくり・まちづくり
3)永く住み続けることができる住まいとする
○世代を超えて使える長寿命な住まい
○地震など災害に強いつくり方
○暮らしに合わせて可変・改修できる内部空間・生活設備
○長期の使用に耐えられる継続的な維持管理
○可能ならば現在ある建物の再生・再利用
4)快適で健康的な室内環境とする
○木でつくる五感にやさしい室内空間
○光や風などの自然の恵みをうまく取り入れる
○有害な化学物質を含む建材・素材の使用を極力少なくしたクリーンな室内空気環境
○環境に気遣いながらも冬暖かく夏涼しく暮らせる住まい
5)地元の木・地域材を活用し環境と省資源に配慮した住まいとする
○地元の山林から産出される木材(あいちの木)を多用した「地産地消型」の住まいづくり
○建具・家具など暮らしの中に地元の木の利用を拡大
○植物系(木・竹・草)など再生産が可能な素材の利用や活用
○資材の再利用や再生産品の利用・活用
○建築現場からの廃棄物を少なくする
○省梱包化された資材・材料の使用
6)地球温暖化に配慮した住まいと暮らし
○エネルギー消費量が少ない住まい
○太陽光・バイオマスなど自然エネルギー・再生可能エネルギーをうまく活用する
○エネルギー効率の良い設備機器や省エネ家電品を採用する
○LCCO2(ライフサイクルCO2排出量)が少ない住まいのつくり方と暮らし方
7)文化の継承
○まちの景観と地域の暮らしにかかわる文化を継続させる
○家庭の文化を育み継承させる
○暮らす人の記憶と記録が持続できるまちと住まいの佇まい
○住まいの建築技術・職人技能を継承させる