シックハウスの対策
シックハウスの対策
室内の空気をクリーンにしよう ・・・「空気質環境の改善」
「シックハウス症候群」を予ぐ方法と、「化学物質過敏症」に対処する方法は質的に異なります。
ここでは「シックハウス症候群」の予防についてお伝えします。
室内汚染物質
注意したいのは室内の揮発性の化学物質
・揮発源は 「建材」 「生活用品」
・室内濃度指針
厚生労働省が定めた室内濃度指針値は現在 13物質
筆頭はホルムアルデヒド
今後も追加されていく
・・・WHOでは50種類をこえる化学物質に
ガイドライン(室内濃度指針値)が定められている
あとが怖い化学合成物質は!!
神経系への影響>粘膜への刺激
注意したい化学物質の順位
一般的には「ホルムアルデヒド」が一番の悪者扱いされているが、本当は・・・
神経系への影響が強い順に並べると
1 防虫剤・殺虫剤類 (特に有機リン系農薬)
2 可塑剤類 (フタル酸エステル類)
3 有機溶剤類 (トルエン、キシレンなど)
4 アルデヒド類 (ホルムアルデヒド など)
最近はあまり騒がれなくなった「環境ホルモン」だが
「フタル酸エステル類」はその疑いが持たれている
身体のために避けたいこと
化学物質を体内に蓄積させないこと
●取り込まない
添加物などの食べ物からの経口摂取は「肝臓」という解毒フイルターがあるが
空気の呼吸摂取は直接「肺」に入り、解毒フイルター機能がない
これが室内の空気をクリーンにすることの意味
●発散させる
体内に取り込まれる化学物質の摂取量を少なくする、減らす
運動・入浴などで汗をかく
・・・体内で化学物質は「脂肪」に蓄積されるとのこと
家づくりで避けたいこと
建築時に注意したいこと
・揮発性化学物質を含む建材(以下含有建材)を「大量使用」しない
・長期間生活するところには含有建材の使用を避ける
・押入れなど密閉しやすい箇所では含有建材の使用を避ける
・複合使用による「汚染物質の総量」を増やさない
シックハウス 対策の基本
室内空気汚染は、汚染物質の量に比例し、換気量に反比例する。
C=m/Q
C=汚染物質の空気中濃度
m=放散される汚染物質の量
Q=換気量
これに「吸着」と「分解」が加わる。
・新築時ほど汚染濃度は高い
・気温、室内温度が高くるほど揮発しやすい
対策-1
《汚染物質の発生原因をつくらない、少なくする》
・汚染原因になる建材・薬剤を使わない、持ち込まない
・できるだけ自然素材系の建材を利用
(しかしこれも人によっては、絶対安心とは言い切れない)
・化学薬剤系の生活用品の利用を少なくする
対策-2
《汚染物質の発生要因を除却する》
・汚染発生源(建材・家具・薬剤など)を取り除く
・発生源を覆い封じ込める
対策-3
《汚染物質を排出する。汚染物質の揮発量より、排出量を多くする》
・換気、通風で排気する。
外気で希釈(薄める)する …実状はこれが適正に行われていない
・換気と通風は目的が違う
換気 外の‘空気’を入れて室内空気をきれいにする
通風 外の‘風’を入れて清涼感を得る
・必要な換気量
新しい住まいは24時間の計画換気・機械換気が義務化されている
最低2時間に1回は室内空気が入替わる量
できれば1時間に1回の量を。(換気回数1回/時間)
・しかし現代住まいの気密性能の実態を住み手が知らない
多くは、換気がされていない住まい
・・・換気機能が生かされていない
気密性と換気量がアンバランス
・建材ばかりでなく、住まいのつくり方にも配慮を
風が通るプラン
換気経路の計画
適切に設計された住まいであることが重要
対策-4
《汚染物質を吸着・分解する》
・吸着剤、分解剤の利用
様々な‘商品’がではじめた
背景には、建材改良のみでは限界があるため
効果は処理剤によりばらつきがある
今のところホルムアルデヒド対策が主
・空気清浄器の利用
機械式の清浄効果は風量に比例
機器により清浄にできる物が異なる
…粉塵(粒子)除却と化学物質(ガス)
とは性質がちがう
いずれも過度に期待しないこと
対策-5
《からだに異常を感じたらその家や部屋から離れる》
・一時避難
・転地療法
しかし いずれも家庭生活への影響は大きい
対策-6
《医師の指導による治療》
・身体の免疫力を高める
・バランスのとれた食事、運動、睡眠
シックハウス症候群への基本対策は「予防原則」
一番大切なのは「事前の予防」
・発症してからでは改善対応が難しい
「疑わしきは回避する」という「予防」が大切
・発症してからも、住まいのみに解決を求めるのではなく
暮らし方を含めた総合的な生活の見直しも必要となる。
化学物質の影響の表れ方が見えずらくなってきている
・化学物質(薬品)中毒
即時に影響が出る
・シックハウス症候群・化学物質過敏症
時間をかけて発症
・環境ホルモン(内分泌撹乱物質)
影響が次世代に先送り
現在は揮発性の化学物質を原料にした便利な生活用品が様々に使われている。
生活の中から化学物質の使用を「0」にすることは不可能なことではあるが
使用には「リスク」が伴っていることをよく知り、節度ある使い方、暮らし方をしましょう。