MSDS(製品安全データーシート)の見方
MSDS(製品安全データーシート)の見方
MSDS(製品安全データーシート)の使い方・調べ方
MSDSとは
- 製品安全データーシート(マニフアクチャー・セイフティー・データー・シート)の略称で、建材製品にどんな化学物質がどれだけ使用されているかなどを記載した情報提供用紙です。
元々は製造、施工過程で作業者の安全管理・事故防止のために原材料の性能や取扱い情報を記したものです。
- 化学物質を取り扱うメーカー・製造者は2001年4月1日よりPRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)により、指定された化学物質について次のように義務化された。
- 第1種指定化学物質(354物質)
- 製造・取扱い業者での化学物質の使用料・排出量・移動量・排気量などを自治体に届け義務(PRTR)・使用した化学物質の性状と取り扱い情報の提出義務(MSDS)
- 製造・取扱い業者での化学物質の使用料・排出量・移動量・排気量などを自治体に届け義務(PRTR)・使用した化学物質の性状と取り扱い情報の提出義務(MSDS)
- 第2種指定化学物質 (81物質)
- 使用した化学物質の性状と取り扱い情報の提出義務(MSDS)
- 使用した化学物質の性状と取り扱い情報の提出義務(MSDS)
- したがって「合計435物質」の化学物質を使用した製品については「MSDS」の提出が義務化されています。
- PRTR法によりどんな化学物質が制度対象となっているのかは下記のホームページを参照にして下さい。
- 【PRTR制度対象物質データベース】
日本のPRTR制度対象物質についての物理化学性状や毒性情報を見ることができます。
独立行政法人 製品評価技術基盤機構 化学物質管理情報
http://www.safe.nite.go.jp/japan/prtrmsds/PRMS_index.html
- 【PRTR制度対象物質データベース】
- 第1種指定化学物質(354物質)
どんな使い方をするのか
- 含有成分の調査
- 建材、資材を新たに採用するときに、採用建材にどんな化学物質がどの程度使われているかを事前調査できる。
- 建材、資材を新たに採用するときに、採用建材にどんな化学物質がどの程度使われているかを事前調査できる。
- 危険性・有害性の調査
- その化学物質の「人への有害性」「危険性」「環境への影響程度」「取扱方や破棄時などの諸注意事項」などを知り、必要に応じて「依頼者への事前説明」「人体に影響がありそうな場合の使用制限」「必要な影響改善対策」「施工時の使用方法管理」などを行なう。
- 有害性情報には、使われている化学物質成分の単独の有害性データが書かれています。例えばLD50(経口急性毒性、経皮急性毒性の動物実験で半数が死んだときの致死量)、LC50(吸入急性毒性の動物実験で半数が死んだときの致死量)の急性毒性情報や慢性中毒情報などです。
- この有害性情報欄の項目にはっきりとデーター・情報がかかれているかを見て、その製品やメーカーの信頼性を判断することも一つの方法であり使い方です。
- その化学物質の「人への有害性」「危険性」「環境への影響程度」「取扱方や破棄時などの諸注意事項」などを知り、必要に応じて「依頼者への事前説明」「人体に影響がありそうな場合の使用制限」「必要な影響改善対策」「施工時の使用方法管理」などを行なう。
- MSDSの提出依頼先は建材などのメーカーですが、使用頻度の高い建材などですでにMSDSが手元にある場合または、データーベース化されている場合は既存データーによる調査・説明も可とする。
情報には限界があります。(MSDSのみでは分からないこと)
- MSDSには、含まれる化学物質の量が1%未満の場合(第一種指定化学物質は0.1%未満)は記載されていなくてもよく、情報提供に限界がありますので注意が必要です。
- 表記されている含有成分が加工物質(例えば○○ビニル樹脂)の場合は原材料成分は記載されていません。
- MSDSの内容記載で「知見なし」とか「情報を有していない」という記載は“安全であるため”有害情報がないのか“研究・試験がされていないため”に有害情報がないのかを、メーカーに直接問合せる必要があります。
- いずれにしてもこのMSDSだけでは総ての有害情報は把握できなく、現物の確認を含めた他の調査も行なって下さい。
- 建材・資材にはMSDSのみでは表記出来ない独特の臭いがあります、使用上注意を要する建材については臭いの感応・感知テストを行ない、多数人が不快を感じた場合は使用を避ける配慮が必要です。
- また、必要に応じて使用製品をデシケーターや簡易チヤンバーを使った放散物質の濃度測定・分析が必要です。